
貴志祐介氏のホラー小説「黒い家」が原作の映画。
「本当に怖いのはオバケでも怪物でもない。生きた人間である」という、よく聞くセリフが本当にしっくりと来るサイコホラー・サスペンス映画です。話のおおまかな内容としては「とある狂った夫妻が保険金目当てのために次々と狂った事件を巻き起こし、それに巻き込まれる保険会社社員・若槻慎二の様子」を描いた作品になります。
では、早速感想などを書いていきます。
※僕自身は原作小説を読んでおりませんので、予めご承知ください。
Contents
映画 黒い家の感想
まずは、原作の知識一切ゼロの僕の感想を箇条書きにして書きます。
- 大竹しのぶの演技力が尋常ではない
- 主人公(内野聖陽)には本当にイライラする
- 話の内容に目新しさは無いように思えた
- ツッコミどころが多いと思った
総評としては五段階中でいうと3.5位でしょうか・・・
とりあえず、上記の4つの理由について書いていきます。
大竹しのぶの演技力がハンパない!
この映画の何が一番見どころかと聞かれれば、僕は即答で「大竹しのぶの演技力」と答えるでしょう。
黒い家のメインキャラクターである菰田(こもた)夫妻の嫁、菰田幸子を演じているのが大竹しのぶさんです。旦那役は西村雅彦さん。この夫妻が保険金を得るために、様々な悪行をやらかすのですが、物語が進んでいくにつれて大竹しのぶさんの存在感が非常に大きくなっていきます。
大竹しのぶさんは若い頃からガチガチの演技派女優として知られており、一部では「憑依型女優」と呼ばれるほど、求められる役に入り込む力がある事が知られています。
この映画では幼少期の頃から闇を抱えた少女が大人になってとびっきりのサイコパスになった女性を演じるワケなのですが、出演シーン全般を見て感じたのが「終始目が怖い」です。
大竹しのぶ演じる菰田幸子は目的のためならば人を○す事も全く躊躇しないモンスターなのですが、普通に会話している時も、悪行を行っている時も、目にまるで生気を感じられません。この目、何かどっかで見た事あるなぁと思ったのですが、コレでした↓

Photo by 写真ac
この何というか、血が通っていなくて、何を言っても話が通じなそうな感じ。
そんな無機質な目を終始崩さずにナタ包丁を持って迫ってくる大竹しのぶさんは本当に菰田幸子が憑依してしまったんじゃないか!?と思ってしまうくらい、迫真の演技です。
後述しますが、話の内容的には「??」と思えるところが多く、何だかなぁと思ってしまっただけに、大竹しのぶさんの演技がバリバリに輝いていた印象がありますね。
恐らく、一度見たらしばらくはトラウマで薄暗い階段にはしばらく近づきたくなくなりますね(笑)
主人公には本当にイライラする
まぁーー本当にイライラしますよ(笑)
主人公は内野聖陽さん演じる若槻慎二という保険会社の社員なんですが、筋トレが趣味なのか、体を鍛えてはいるんですが、まぁーーー弱気な性格ですwお客からのクレームの電話には「は、はいぃ(汗)も、申し訳ありません(泣)」みたいな。
主任(係長だっけ?)の地位にはいるものの、頼りなさは折り紙つきです。
詳しい内容は書きませんが、ニュアンスで言うと「いや、何でそこに逃げるの!?」「なんだその攻撃!!ゴキジェットかよ!!w」「早く警察呼べよ!!!怒」みたいな感じで、なんでそこでそんな事すんだよ!?と思うところばかりで相当ストレスは感じました(笑)
しかも、内野聖陽さんがそういうビビリでドジな演技が本ッッ当に上手なので、それが余計に見ててイライラしますw
映画を見る際は、思わずぶん投げてしまいそうになるかもしれないので、お茶やコーヒーの入ったカップ類などは手に持たない方が良いでしょう。
話の内容に目新しさは無いように思えた
これは、原作を読んでいないので何とも言えないところではあるんですが、ストーリー的には先が読める展開ですし、特に「Wow!」と思うようなところは無かったですね・・・・
話の目新しさは無いんですが、全体を通して、乾いた無機質な世界観で、ジメジメとしてて、気持ちの悪いダークさは凄く感じました。また、ちょっとした登場人物がいちいち気持ち悪かったりします。
犯罪心理学を研究している男が出てくるんですが、妙に挙動不審でオタクをこじらせたような感じだったり、何の設定なのか知らないが、片足をびっこ引いて歩く刑事が出てきたりと、ストーリーには別に影響しないのに、何か独特なクセを持ったキャラが、この映画に更に異質な雰囲気を与えています。
まぁある意味、クセの強さは西村雅彦演じる菰田重徳(イカレ夫妻の旦那の方)が飛び抜けてますけどねw本当に凄い演技だなと思いました。
ツッコミどころが多いと思った
これは主人公がイライラする話にも結構通じます。主人公の行動は本当にツッコミどころのデパートですね。
ソレ以外にも、話の設定として置き去りにされている部分が結構多いなーとは思いました。
見ていて「???」と感じる部分は多々ありました。
タイトルは黒い家ですが、家はごく普通の一軒家ですしそんな黒くありません。そもそもそんなに家が主体って感じでもないです。正直それはどっちでもいいって感じなんですが・・・
まぁ一番疑問なのはアレだけやばい事がたて続いた会社に懲りずに勤務するチキン主人公のハートの強さと会社愛ですね。
なお、ハッピーエンディングでは全然無いです。
評判は厳しめ!?
これは、原作を読んだ事が無い方は、むしろ原作を読まないで見た方が良いと思います。
なぜなら、原作を読んだ方からは批判の嵐だからですw
くどいですが、僕は原作を読んでません。
なので、フラットな状態で見ているわけですが、単純にただ怖い物を見たい欲求を満たしたいのであれば、この映画版の黒い家はアリだと思います。
正直、見てて結構ハラハラするし、僕自身も割とビビリなので、思わず手のひらを顔に当てて指の隙間からのぞき見してしまうシーンも多かったです(笑)何より、大竹しのぶさん怖すぎです!!!!!
何だかんだ言いながらも僕はこの黒い家、アリだと思ってます。
ツッコミどこも多いしイライラするところも多いですが、僕は比較的おおらかな性格ゆえか、そこまで気にしませんでしたw
まとめ
まとめになりますが・・・・・
細かい事は気にしない!単純に怖いモンが見たい!!人間のドス黒い部分が見たいんだ!!!
という、暗黒的欲求を満たしたい方にはオススメな映画かと。
そしてとにかく!!大竹しのぶはやはり凄い・・・・・
以上です。
ありがとうございました。